■ その他の知的財産権について



このページの内容

  知的財産権法の体系

  意匠権について

  商標権について

  著作権について

 不正競争防止法について


 ここでは特許・実用新案以外の知的財産権について簡単に説明します。


知的財産権法の体系

 知的財産を保護するための法律には次のようなものがあります。なお、知的財産権法(知的所有権法)や工業所有権法というのは特許法や意匠法のような実際の法律をまとめて言うための総称であって、実際に条文がある法律ではありません。工業所有権法(産業財産権法)で規定される権利は特許庁へ登録することにより発生します。

  

知的財産 権法 −−工業所有権法(産業財産権法) 特許法 発明を保護
 |   ・  実用新案法 考案を保護
 |   ・ 意匠法 デザインを保護
 |   ・ 商標法  商標を保護
 |  
  −工業所有権法(産業財産権法) −・ 著作権法  著作物を保護
   でないもの   ・ 不正競争防止法 商品等表示・営業秘密等を保護
  ・ 半導体回路配置法 回路配置を保護
  ・ 種苗法 植物品種を保護

(注)不正競争防止法は工業所有権(産業財産権法)とする場合もあります。

 

 工業所有権(産業財産権)については、特許庁ホームページ「平成26年度知的財産権説明会(初心者向け)テキスト」も参照するとよいでしょう。


意匠権について

意匠権とは

 意匠権は物のデザイン(意匠)を独占的に実施することができる権利です。

 意匠法上の意匠とは物品の形状、模様、色彩、又はこれらの組合せで、視覚を通じて美観を起こさせるものを言います。意匠は物品の形状等ですから、同じデザインでも物品が非類似の場合は意匠としては別のものになります。出願するときには物品を特定する必要」があります。

 意匠権を取るためには、工業上利用できること、新規であること、創作が容易でないこと等の条件を満たす必要があります。詳しくは、審査基準を見てください。(特許庁ホームページ「意匠審査基準」について」「平成26年度知的財産権制度説明会(実務者向け)テキスト(意匠審査基準説明会テキスト)」参照)

意匠権の取り方

 意匠権も特許権と同様に必要な書類を特許庁に提出し、審査を経て登録されることで発生します。特許や実用新案と異なり、出願したものはすべて自動的に実体的な審査が行われます。

 出願方法は、特許庁ホームページ「クイックガイド 意匠に関しては」を参照してください。

 費用は特許庁に対して出願時点で16,000円、登録料は1〜3年毎年8,500円、4〜10年毎年16,900円、11〜15年毎年33,800円です。存続期間は登録の日から15年です。

 特許事務所に対しては、出願時点で基本手数料80,000円+図面作成費等、登録時に成功報酬65,000円程度が目安です。

  


商標権について

商標権とは

 商標権は特定の商品やサービスについて商標を独占的に使用できる権利です。 

 商標権を取るためには、商品等の普通名や慣用名でないこと、誤認混同を起こさせないこと等の条件を満たす必要があります。詳しくは、審査基準を見てください。(特許庁ホームページ「商標審査基準」「平成26年度知的財産権制度説明会(実務者向け)テキスト(商標の審査基準)」参照)

商標権の取り方

 商標権も必要な書類を特許庁に提出し、審査を経て登録されることで発生します。特許や実用新案と異なり、出願したものはすべて自動的に実体的な審査が行われます。

 また出願に際しては商標と、商標を使用する商品・サービスを指定する必要があります。商品・サービスが非類似であれば原則として同じ商標でも登録されます。

 出願方法は、特許庁ホームページ「商標登録出願等の手続きのガイドラインについて」を参照してください。

 費用は特許庁に対して出願時点で3,400円+区分数×8,600円、登録料(10年分)は37,600×区分数です。商標権は10年後とに更新することができます。更新料(10年分)は48,500円×区分数です。

 特許事務所に対しては、出願時点で基本手数料60,000円(1区分)+商標トレース代等、登録時に成功報酬45,000円程度が目安です。

※区分とは商標登録に際して一まとめできる商品、サービスを分けたもので政令で定められています。なお、区分は商品やサービスの類似範囲を示すものではありません。


著作権について

著作物とは

 著作物とは、具体的には小説、講演、音楽、美術、映画、コンピュータプログラム、データベース等が挙げられます。法律上は「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」と定義されています。

 著作物は表現ですから、技術的な考え方である発明を著作権で保護することはできませんので注意してください。

著作権とは

 著作権は特許権や商標権のように簡単に説明するのが困難です。何故ならば著作権はたくさんの権利が集まって束になったものだからです。著作権は著作物が完成した時点で発生し登録等は必要ありません。但し、登録することも可能です。

 著作権法上の権利には、「著作者の権利(広義の著作権)」と「著作隣接権」があります。「著作隣接権」とは著作物の実演家(歌手、俳優等)、レコード製作者、放送事業者等の著作物の創作に順ずる行為をする者に認められる権利です。

 「著作者の権利(広義の著作権)」はさらに「著作者人格権」と「著作財産権(狭義の著作権)」に分けることができます。

 「著作人格権」には「公表権」「氏名表示権」「同一性保持権」があります。

 「著作財産権(狭義の著作権)」には「複製権」「上演権、演奏権」「上映権」「公衆送信権等」「口述権」「展示権」「頒布権」「譲渡権」「貸与権」「翻訳権、編曲権、変形権、翻案権」「二次的著作物の利用権」があります。

著作者人格権

公表権 未発表の著作物を公表するかどうかを決める権利
氏名表示権 著作物を公表する際に、著作者の氏名を表示するか否か、どのような名義で表示するかを決める権利
同一性保持権 著作物の同一性を保持し、著作者の意に反した改変を受けない権利

 

著作財産権(狭義の著作権

複製権 印刷、写真、複写等の方法で著作物を有形的に再製する権利
上演権、演奏権 著作物を公に上演したり演奏したりする権利
上映権 著作物を公に上映する権利
公衆送信権・伝達権 著作物を公に送信する権利(著作物を送信可能にする行為も含む)及び送信された著作物を受信装置を用いて公衆に伝達する権利
口述権 言語の著作物を公に口頭で伝達する権利
展示権 美術の著作物、未発表の写真の著作物を原作品により公に展示する権利
頒布権 映画の著作物を複製物により頒布する権利
譲渡権 映画以外の著作物の原作品や複製物を公衆に譲渡する権利
貸与権 映画以外の著作物を複製物の貸与により公衆に提供する権利
翻訳権、編曲権、変形権、翻案権 著作物を翻訳、編曲、変形、翻案する(二次的著作物を創作する)権利
二次的著作物の利用権 著作物を翻訳等した二次的著作物についての原著作物の著作権者が有する二次的著作物の著作権者と同等の権利

 

 より詳しくは、文化庁ホームページ「著作権〜新たな文化のパスワード」社団法人著作権情報センターのホームページを参照してください。


不正競争防止法について

不正競争防止法とは

 不正競争防止法は文字通り不正競争を防止するための法律で、不正競争により他人の営業上の利益を侵害した者に対する損害賠償や差止の請求などを定めています。

不正競争防止法に定める不正競争

 次の行為が不正競争として規定されています。

周知表示混同惹起行為

 他人の周知の商品等表示と同一若しくは類似の商品等表示の使用等によって他人の商品又は営業と混同を生じさせる行為。

著名表示冒用行為

 自己の商品等表示として他人の著名な商品等表示と同一若しくは類似のものを使用等する行為。

商品形態模倣行為

 最初に販売された日から起算して三年を経過していない他人の商品の形態を模倣した商品を譲渡等する行為。但し、商品の形態が商品が通常有するものである場合は含まれません。

営業秘密不正取得・不正使用行為

 窃取、詐欺、強迫その他の不正の手段により営業秘密を取得する行為(不正取得行為)又は不正取得行為により取得した営業秘密を使用・開示する行為。

営業秘密不正取得後悪意転得行為

 営業秘密について不正取得行為が介在したことを知って、または重大な過失により知らないで営業秘密を取得し、または、その取得した営業秘密を使用・開示する行為。

営業秘密不正取得善意転得後悪意使用行為

 取得した後に営業秘密について不正取得行為が介在したことを知って、または重大な過失により知らないでその取得した営業秘密を使用・開示する行為。

営業秘密不正目的使用開示行為

 営業秘密を保有する事業者(保有者)からその営業秘密を示された場合に、不正の利益を得る目的や保有者に損害を加える目的で、その営業秘密を使用・開示(不正開示行為)する行為。

営業秘密不正開示後悪意転得行為

 営業秘密について不正開示行為であることを知って、または、その営業秘密について不正開示行為が介在したことを知って、もしくは重大な過失により知らないで営業秘密を取得し、又はその取得した営業秘密を使用し、若しくは開示する行為。

※不正開示行為・・・秘密を守る法律上の義務に違反してその営業秘密を開示する行為含む

営業秘密不正開示善意転得後悪意使用行為

 取得した後にその営業秘密について不正開示行為があったこともしくはその営業秘密について不正開示行為が介在したことを知って、または重大な過失により知らないでその取得した営業秘密を使用し・開示する行為。

技術的制限手段解除機器の提供等(その1)

 営業上用いられている技術的制限手段により制限されている影像や音の視聴、プログラムの実行、影像・音・プログラムの記録を、技術的制限手段の効果を妨げることにより可能とする機能のみを有する装置、そのような機能のみを有するプログラムを記録した記録媒体や記憶した機器を譲渡等する行為。

技術的制限手段解除機器の提供等(その2)

 特定の者以外の者に利用できないように営業上用いられている技術的制限手段により制限されている影像や音の視聴、プログラムの実行、影像・音・プログラムの記録を当該技術的制限手段の効果を妨げることにより可能とする機能のみを有する装置、そのような機能のみを有するプログラムを記録した記録媒体や記憶した機器を、特定の者以外の者に譲渡等する行為 。

ドメイン名の不正取得等

 不正の利益を得る目的・他人に損害を加える目的で、他人の特定商品等表示と同一もしくは類似のドメイン名を使用する権利を取得する行為、保有する行為、そのドメイン名を使用する行為。

商品・役務内容等誤認惹起行為

 商品やサービス等にその商品の原産地、品質等、そのサービスの質、内容、用途等について誤認させるような表示をする行為、その表示をした商品を譲渡等する行為、その表示をして役務を提供する行為。

競争者営業誹謗行為

 競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知・流布する行為。

代理人等の商標冒用

 パリ条約の同盟国、世界貿易機関の加盟国又は商標法条約の締約国において商標に関する権利を有する者の代理人等が、正当な理由がないのに、その権利を有する者の承諾を得ないでその権利に係る商標と同一若しくは類似の商標をその権利に係る商品若しくは役務と同一若しくは類似の商品若しくは役務に使用等する行為。


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