必要な書類



特許出願の際に提出する書類には「願書」「特許請求の範囲」「明細書」「図面」「要約書」の5種類があります。ここでは、それぞれの書類の様式について簡単に説明します。



基本的な情報は、工業所有権情報・研修館が出している「特許出願書類の書き方ガイド-書面による出願手続きについて-」がよくできていますので、これを参照してください。

特許出願書類の書き方ガイド
-書面による出願手続きについて-
独立行政法人工業所有権情報・研修館

 ここでは、主にこのpdfの補足をしていきます。



願書

  • 願書は出願人の氏名等出願に関する書誌的な事項を記載する書面です。
  • 願書で重要なのは【特許出願人】の欄です。最終的に特許出願人が特許権者となります。
  • 個人事業の場合、屋号では出願できないので個人名で出願します。
  • 【住所又は居所】欄は、個人の住所を書きたくないときは居所として会社住所などを記載することが慣行として行われています。
  • 【特許出願人】が複数いる場合、【特許出願人】の欄も複数設けます。

  • 【特許出願人】
     【住所又は居所】 大阪府大阪市北区西天満〇丁目〇番〇号
     【氏名又は名称】 堂島川 渡
    【特許出願人】
     【住所又は居所】 大阪府大阪市中央区区北浜〇丁目〇番〇号
     【氏名又は名称】 株式会社アイピーサービス
     【代表者】 淀屋橋 ひろみ

  • 【発明者】が複数人いる場合も、【発明者】の欄を複数設けます。【発明者】は特許証に名前が載ります。
  • 【氏名】や【氏名又は名称】の読み方が難しい場合は、これらの欄の上に【フリガナ】欄を設けて読みをカタカナで書くことができます。
  • 特許印紙は大き目の郵便局で売っています。


特許請求の範囲

  • 特許請求の範囲は特許権を取りたい発明を記載する書面で、特許権の権利範囲を定める出願書類の中で最も重要な書面です。より詳しくは特許請求の範囲・明細書の書き方にまとめていますので、参照してください。
  • 特許請求の範囲には請求項1、請求項2、請求項3のように請求項に分けて記載します。権利範囲の広い発明を記載した請求項1から請求項2、請求項3と番号が大きくなるにつれて請求項1に+αの要件を加えたより権利範囲の狭い発明を記載していくことが一般的です。他にも請求項1を物の発明、請求項2をその物の製造方法の発明とするなど発明のカテゴリーを変えた発明をそれぞれに記載することもできますし、請求項1、請求項2が同じカテゴリーの発明でも一定の関係を満たす場合は互いに独立した発明を記載することもできます。
  • 各請求項は「〇〇装置。」「〇〇方法。」「〇〇の製造方法。」等、カテゴリーを明瞭にするために原則として名詞で終わるように記載します。


明細書

  • 明細書は特許請求の範囲に書かれた発明を説明するとともに、発明の利用を促進すべく発明を開示するための書面です。より詳しくは特許請求の範囲・明細書の書き方にまとめていますので、参照してください。
  • 明細書には、【発明の名称】【技術分野】【背景技術】【先行技術文献】【発明が解決使用とする課題】【課題を解決するための手段】【発明の効果】【図面の簡単な説明】【発明を実施するための形態】【符号の説明】を記載します。
  • 段落番号は明細書を後から補正するときに【 】がついた単位を入れ替えたり、削除したりすること補正をするので、【0001】のような段落番号を適当な範囲で入れておくと補正時に対応しやすくなります。段落番号は特にすべての段落ごとに入れる必要はなく、複数段落に一つの段落番号を付しても問題ありません。
  • 明細書中に数式、化学式、表を画像で入れることができます。この場合、数式の上段には【数1】【数2】のように、化学式の上段には【化1】【化2】のように、表の上段には【表1】【表2】のように連続番号を付した【 】部分を識別情報として記載します。
  • 特許請求の範囲の各請求項の内容に対して、必ず対応する内容を明細書中に記載しておく必要があります。この点は明細書を最終チェックする際に特に注意しましょう。


図面

  • 図面は明細書を視覚的に補足するもので、実質的に明細書の一部と考えてよいでしょう。特許の場合、発明の内容によっては図面は不要です。一方、実用新案では図面無しに出願することはできません。
  • 図面は手書きでも大丈夫ですが、特許庁で電子化するときに線が消えないように鉛筆ではなく、線がしっかりと出る筆記具で描きましょう。鉛筆を使いたい場合は、濃い鉛筆で描いてコピーすることで消えない線を表示させるようにしてもいいでしょう。また、公報に載るときに図面は縮小されて載りますので縮小されても図がつぶれないか検討しましょう。細かすぎる図面は必要に応じて拡大図も載せるなどの工夫をしましょう。
  • CGや写真を使ってもOKです。ただし、カラー画像は認められませんのでカラーの場合はモノクロに変換する必要があります。
  • 明細書中には表を画像として入れることができますが、これの代わりに図面中に表を図として入れてもかまいません。

要約書

  • 要約書の主に公開公報などで第三者が出願内容の要点を速やかに理解できるようにするための書面です。要約書は権利に直接影響を与えるものではありません。
  • 要約書は記載に不備がある場合は特許庁側で修正してくれますので、作成にあまり気を使う必要はないでしょう。


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