こんにちは、弁理士の磯兼です。
「特許出願ノススメ」へご来訪いただきましてありがとうございます。
このウェブサイトは特許の初心者の方を対象に特許出願を中心に基礎的な知識・情報を提供することを目的に作成したものです。
最初にこのサイトを作ってから20年以上が経過しました。この間、何度か内容の修正をしていますが、ここのところ長らく放置していました。古い記述も多いので、この度、思いも新たに改訂版を出すこととしました。
20年経過して、内容を見直して思うことは、特許の基本は全然変わっていないということです。意外とそのまま使える部分がほとんどなので、サイトの内容は前回のものを踏襲したマイナーチェンジとなっています。
一方で、特許出願に関する情報は、特許事務所や公的機関から非常に多くのものがネット上に提供されており、20年前とは全く違う状況になっています。そのため、本サイトの価値も相対的に低下していることは否めません。
ただ、特許事務所が提供する特許出願に関するウェブサイトの多くは、最終的に特許事務所に依頼して欲しいという意図が見え隠れし、自分で特許出願をしたいと考えている人に寄り添ったウェブサイトはほとんどありません。
公的機関の情報は自分で特許出願をしたい人にも役立つように必要な情報が網羅されていますが、情報量が膨大でどこに何があるのかを知ることが困難な状態です。
このような観点から本サイトの価値を鑑みると、客観的な視点で特許出願をしたい人に対して必要十分な情報をコンパクトに提供できるように留意している点において、価値があるのではないかと考えています。また、今回の改訂で、弁理士としての立場を極力排除して、特許出願をしたいと考えている人のためになるように、自分で特許出願をする人のための記述や、特許をはじめて利用する会社のための記述を充実させました。
最初のサイトの公開時の挨拶でも書いているように、特許制度を利用する主体は中小企業も少し増えてきていますが、相変わらず大企業が大部分を占め、産業界における特許制度を利用できるものとそうでないものの偏りは相変わらずです。
この20年で世界における日本の技術立国としての地位は大きく低下し、これに呼応するように、特許出願件数は40万件越えの状態から30万件を割り込むまで落ち込みました。これは特許制度を利用している企業の偏在と無関係ではないでしょう。
特許制度を利用している企業の割合は、技術を経営に生かしている企業の割合とも言えます。中小企業、ベンチャー企業、個人の特許出願の割合が50%くらいまで上がれば、日本の技術立国としての地位も再び上昇する可能性は高まることでしょう。
特許制度を利用する者の偏在は、取りも直さず特許に関する知識の偏在といえるでしょう。本サイトが、中小企業、ベンチャー企業、個人発明家にとって、特許制度に対する理解を深める一助となって、特許制度利用者の偏在が解消されることに微力ながらも貢献できれば幸いです。
2022年9月
弁理士 磯兼 智生
自己紹介
昭和41年生まれ。大阪大学工学部機械工学科卒。1995年弁理士登録。ゲームソフトメーカー、特許事務所勤務を経て1998年特許事務所事務所設立。以後、企業との顧問契約を結ばず、中小企業、ベンチャー企業、個人の特許支援に専念。
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